ヤマトヌマエビの繁殖(稚エビ化まで)
ヤマトヌマエビの繁殖に成功
苔取り生体として導入したヤマトヌマエビ。
春先にメス3匹が抱卵しました。
調べると子エビ(ゾエア)育成に汽水環境が必要など、勝手に繁殖することはなく、難易度が高いとの情報が出てきます。
確固たる育成方法も情報として見当たらなかったのですが、現時点で約150匹を稚エビに成長させることができました。
アクア初心者の私が100均グッズと市販エサを使って繁殖に成功した経過をご紹介します。
抱卵した親エビ。
親エビの飼育環境
和金のいる60cm水槽でメス3匹・オス2匹を飼育。
人工飼料は与えず、エサは自然発生する苔のみです。
用意したもの
・サテライト用ケース(100均の虫かご)
・ゾエア育成用ケース(100均の5Lタッパー)
・海水の元
・エアレーション(チューブ/ストーン)
・温度計
・ピペット
・ゾエアのエサ(メダカ稚魚のエサ、米のとぎ汁)
使用した海水の元
1.抱卵・隔離
水温20度を超える頃にオスがメスを追い回すようになりメスが順番に抱卵しました。
そこで本水槽に100均の虫かごを浮かべエアチューブ・ストーンを入れサテライトを作成しました。
抱卵から2週間経過したメスを移動し、3日に1度コリドラスタブレットを与えて様子を見ます。
フンが結構出るので毎日ピペットで吸い出します。
産卵が近づくとお腹の卵が白っぽくなりゾエアの目が目視できるようになります。
本水槽に設置したサテライト
2.ゾエア放出・汽水への移動
抱卵から4週間ほどでゾエアを放出しました。
お腹に残った卵もその後2日程度で脱卵しました。
(抱卵した3匹とも大潮にゾエア放出が始まりました。)
脱卵後の親エビは元の水槽に戻します。
産まれたゾエアは都度ピペットであらかじめ用意していた汽水ケース(以下に説明あり)に移しました。
すぐに孵化しない卵も、1週間ほどで少しずつ孵化するのでエアレーションをかけて様子見します。
ゾエア誕生の様子
奥の白い粒がゾエアです。これをピペットで汽水ケースに移します。
3.汽水ケースでの飼育ルーティン(次の3点を継続)
1)5Lタッパーに汽水2Lを入れて管理。毎日1Lの汽水を水温を合わせて水替え
2)毎日米のとぎ汁4mlとメダカ稚魚のエサを一つまみ、すりつぶして投入
3)1日に数回ケース内をかき回して、とぎ汁&エサを撹拌(あとはエアレーションを弱めにかけて水流を発生させておきました)
水替え用の汽水は翌日分を前夜にペットボトルに作成して常温で置いておきました。そうすることで水温合わせの手間が省けます。4月だったので水温は20度前後です。
水替えは工夫しないとゾエアも一緒に吸い出してしまいます。下の写真のように光を当てるとゾエアが光に集まるので、光から遠いところにピペットを入れてエサ・フンを吸い出しました。
※汽水は海水の元の規定分量の70%の塩水です。
※我が家は2Lでの管理でしたが水量はゾエア数に応じて増減が必要と思います。
飼育ケース(携帯のライトでゾエアを集めて水替えをしている様子)
使用したメダカ稚魚のエサ
4.汽水ケース移動後のゾエアの様子
孵化3週目までは次のような成長の経過でした。
1)数日で2mmほどに成長
2)2週目には5mm程度に成長(写真左)
3)3週目には体長が5mmを越え、体が赤みがかった個体が出てきます(写真右)
5.汽水ケースでの稚エビ化(着底)
孵化から5週目を迎えると、エアストーンの上を歩く個体が。稚エビになっています!
サイズはまだ1cmありません。
ゾエアはおしりを上にフワフワと水中を漂っていますが、稚エビは親エビ同様に頭の方向に素早く動きます。
ケース側面やストーンにじっとしている事が多いです。
6.今後の観察
この時点で10匹程度が稚エビ化に成功しました。
まだ数百匹いるゾエアを引き続き育成しています。
以上のように勝手に繁殖というわけにはいかないヤマトヌマエビの繁殖ですが、一定のルーティンで繁殖できることは学びでした。
稚エビに育った個体を今後どうするかは要検討です。
そのまま淡水水槽に入れても平気という情報もありますが、ここまで大切に育ててきたので様子を見ながら移していきたいと思います。
今後もゾエアから稚エビになった個体の成長過程を
レポートします!
最後までご覧いただきありがとうございました。
↓その後の様子